10月 OCTOBER:神無月(かんなづき)

季節の言葉






●秋祭(あきまつり)
秋に行なわれる祭りで、収穫を神様に感謝する祭りや豊作祈願もあります。
稲作を守護する神様は、春に田に迎えいれて、収穫が終わった秋に再び
山へ送ります。祭りでは舞や芸能の奉納など、行事が行なわれます。

●案山子(かかし)
稲が実るこの季節には、鳥などの被害から農作物を守るために田園にたたずむのが
案山子です。ワラや竹細工で人のように見せかけて作った人形ですが、この名前の
由来には、昔は煙の悪臭で追払ったことから「臭し(かがし)」から来ています。
また、作物を守る田の神の姿として立てられたものもあります。今ではユニークな
姿なのでコンクールも開かれるほどです。

●秋渇き(あきがわき)
夏の暑さのために衰えていた食欲や性欲が、季節が過ごしやすくなり盛んに
なってくることをいいます。気候が良くなり、馬肥える秋ですから人にとっても
動物にとっても、思わず食欲も増進する時期です。

●寒露(かんろ)
10月の8日は、立秋の日から数えて60日目の寒露に当たります。この時期は
秋の長雨も終わり天候が安定して、過ごし安い日々が続きます。ですが朝晩は
冷え込み、野外の草木や岩の表面についた露も冷気で冷たくなります。
季節的にも本格的な秋が到来します。

●秋晴れ(あきばれ)
秋の快晴の澄みわたるような空のことを言います。10月に入ると移動性の
高気圧に覆われて、湿度も下がって心地いい日が続きます。また空気が
澄みわたり、空が高くなったようにも感じられます。ただし、高気圧は
移動が早くて晴天が長く続きません。そこで「女心と秋の空」
などとも言われています。

●秋日和(あきびより)
秋晴れと似ていますが、こちらはすっきりとした快晴でもその時に
吹いている風や大気、気温までを総合しての心地良い秋晴れです。
縁側での日向ぼっこやちょっと散歩が楽しみたくなるような晴れた
穏やかな日をいいます。

●楓(かえで)
紅葉で最も美しいのがカエデ。楓は、カエデ科、カエデ属の
落葉高木の総称です。赤ちゃんの手のひらのような形ですが、
昔はカエデの葉を手の平に見立てて「かえるで」といいましたが、
それがなまり「かえで」になりました。

●後の月(のちのつき)
十三夜の月のことです。「名残の月」「女名月」とも呼ばれますが、
十五夜の月見と同じように美しい秋の名月が楽しめます。昔の人は十五夜の
月を見て十三夜の月を見ないと片見月と言って忌み嫌われた時代もありました。
この時期は天候も安定するので、ちょっと寒いですが美しい満月が楽しめます。◇

◆霜降(そうこう)
10月の23日は二十四節気の一つ霜降に当たります。この日は冷気によって
雨が霜となり、降り始める頃という意味です。この時は東北地方や中部地方では
霜が見られて、紅葉も盛りになってきます。東京での初霜の平均は11月18日で、
まだ先ですが北の地方では、冬の支度が始まる時期でもあります。

●肌寒(はださむ)
秋も深まり冷気が肌に寒く感じられることです。この頃には日中は暖かいのに、
夜になると寒くなります。また、この秋の半ばから末にかけての寒さを
「漸寒(ややさむ)」といい、この「漸(やや)」は、次第にとか徐々にという
意味になります。また、何となく寒かったり、わけもなく寒いのが
「そぞろ寒(そぞろさむ)」。さらにどことなく寒いという風に、寒さを特定
できない寒さを「うそ寒(うそさむといい、「うそ」は「薄」から転じた
接頭語で「うすら寒い」という感じの言葉です。どれも深まる秋の寒さを
表しています。

●萩
秋草の代表的な萩は、秋の七草のひとつ。この「萩」の漢字は草冠に秋と書き、
中国にもない国字で、日本人の豊かな感性が作りあげたものです。万葉集に
残された植物の歌でも萩を詠んだものが百首以上あり一番多く、古来から
風雅の花として愛されてきました。万葉の人達は花色で衣を染めたり、萩の
花見の宴を開いたり、萩の花に恋心を托したりと萩文化を開花させました。
また江戸時代でも庶民の間に広まり、秋になるとは萩の花見が楽しみのひとつでも
ありました。その風情はいつの時代でも人々を魅了し続けています。

■紅葉
春の桜前線は南から北へ進みますが、イロハカエデの紅葉前線は北から南へと
1日平均27キロほど進むと言われ、約50日で日本列島を縦断、高い所では
500メートル高くなるごとに約10日早まります。また、イチョウの黄葉前線は東北や
中部の山間部では10月下旬から始まり、関東、東海、近畿では11月中旬から
色づきます。秋になり気温が低くなると落葉に先だって、葉が赤や黄色に染まる
ことを紅葉(もみじ)といいます。また、この季節は桜を愛することを花見と
いうように紅葉を愛でることを紅葉狩り(もみじがり)といいます。この風習は
古くは奈良時代から貴族の間に広まり、庶民の間には江戸時代になってから
広まりました。江戸では当時、上野津権現、目黒不動尊、浅草の正灯寺などが
紅葉の名所でした。また、紅葉も日本の山野には100 種類以上を数えますが、
海外では日本のような多種多様な紅葉は見られないと言われています。
また葉(こうよう)とよむ場合はカエデ、ナナカマド、ウルシ、ツどのもみじを
言い、黄色くなるイチョウ、シラカバ、クリなどのもみじは黄葉(こうよう)と
書きます。
.
●野山の錦(のやまのにしき)
錦とは、金銀さまざまな糸の色で文様を織り出した織物ですが、秋々の紅葉が
日に照らされて、まるで錦のような美しさに見えることです。今では紅葉の
美しさのたとえとして定着しています。

◆黄落(こうらく)』
秋になるとイチョウやケヤキなど黄色くなる葉を黄葉といいますが、これらの葉が
散ることをいいます。赤くなるカエデなどよりもこの方が早いです。

●行く秋(ゆくあき)
秋が去っていくのを惜しむ言葉。落ち葉や木の実など、その秋の終わりを感じて
別れを惜しむ感情を表現したもの。

●秋の味覚
収穫の秋になるとお店の店頭にも秋の味覚が並びます。秋の言葉の「あき」には
「飽きるほど食べ物がある時期」から来ているという説もあるほどで、まさに
味覚の秋とも言えます。代表的な味覚のひとつが柿。奈良時代に渡来し、
渋柿は干し柿として食べますが、柿の渋は防腐剤や染料に用いられます。また、
春の山菜と並んで秋のキノコは古くからの自然の食材です。日本書紀には
クリタケ狩りが出てきますが、平安時代以後には、マツタケがキノコ狩りの対象に
なりました。今では生産地としては長野県、京都府などが有名で、主にアカマツの
林に生え、これの季節が成熟する時期です。他にクリ、ブドウ、リンゴ、新米などは
食欲だけでも十分に満喫できる季節と言えます。


10月のキーワード

【自然】 寒露、初霜、霜降、秋晴、鰯雲、紅葉、バッタ、こおろぎ、ミノムシ、
     朝寒、夜寒、夕焼け、二十六夜、木の実、稲刈、渡り鳥

【暮らし】結婚シーズン、展覧会・音楽会のシーズン、秋の虫干し、体育の日、
     図書館の利用、秋の夜長の利用法、カルチャーセンターに参加、
     ポプリ・ドライフラワー・押し花を作る、畳替え、身近なもののリフォーム、     編物

【健康】 体力づくり、食べ過ぎ、消化不良、夜ふかし、かぜ、けが、捻挫

【花】 菊、もくせい、コスモス、ホトトギス、ツワブキ、ヤツデ、キンレンカ、
   ノギク、サザンカ、ササリンドウ、キンセンカ、アイ

【園芸】 球根の鉢植え栽培 (スカシユリ、テッポウユリ、オトメユリ)、球
      根の水栽培 (ヒヤシンス、水仙、クロッカス)、種蒔き (メキシコ
      ヒマワリ、ハゲイトウ、サルビア、ダリア、カンナ、サフラン、ジンジャー) バラのせんてい、
     スイトピーのまきつけ、松のコモ巻き、フレームの用意、
     オオギクと懸がいギクの仕上げ、落葉樹の植え替え、
     球根の貯蔵

【季語】 秋の山、秋日和、秋の雨、秋風、夜寒、秋の暮、稲刈、木の実、
     柿、栗、紅葉、案山子

【誕生石】 オパール(安楽、希望)

【誕生花】 モクセイ(謙遜)、リンドウ(正義・的確)

時候の挨拶】秋冷、紅葉、黄葉、夜長、秋雨、冷気、初霜、渡り鳥、松茸、
        豊年、新栗、稲刈り


10月の旬【魚】

【舌びらめ】
旬は秋、皮がかたいので調理の際にきれいにむく。白身の柔らかい肉は、
ムニエルやフライ、蒸し煮によい。鉄分を多く含む低カロリーのダイエット食で、
貧血ぎみの女性におすすめである。

【柳葉魚(ししゃも)】
10月末から11月初めの冬の訪れの前が旬。子持ちシシャモは軽く焼いて食べるのが
おいしい。焼きすぎるとせっかくの腹の卵がはじけてしまうのでオーブンなどで
焼かないようにする。

真鯛(まだい)】
マダイは、冬から春にかけてが旬、目の上が青く体色が金赤色のものが新鮮な証拠で
ある。カルシウムが多く、脂肪の少ない良質のタンパク源。


10月の旬【野菜】

【山芋】
ヤマイモには長芋、銀杏芋、ツクネ芋などがある。店頭に出回るのは改良種で、
ジネンジョと呼ばれる天然物は、まず手に入らない。ヤマイモは独特の粘りが
身上で、トロロは古来、精がつく食べ物として珍重された。消化酵素・ジアスターゼを
大量に含んでいるため、マグロの山かけや月見などにして食べるとよい。

【松茸】
秋の味覚の代表。人工栽培ができないため、天然物が9月〜11月にかけて出回る。
マツタケは香りが命。香りは時間の経過と共に失われるため、入手したらなるべく早く
使いきってしまう方がよい。

【滑子 (なめこ)】
収穫後1週間ぐらいしかもたないので、早く使いきること。生物はぬめりが少ないので、温湯でさっと洗う程度に。袋入りや缶詰はざるにあけ、熱湯をかけて余分なぬめりを
落として使う。

【紫蘇の実】
花が落ちて実が熟したもので、穂紫蘇ともいう。しごきとった実を1日水につけて
アク抜きし、酒と醤油で佃煮にしたり、塩漬保存して即席漬けなどに加えると、
香りがよい。


10月の旬【果物】

【りんご】
リンゴは栄養的に恵まれた果物。安定した酸化型のビタミンCが含まれ、すりおろして
変色しても壊れない。他、食物繊維、ペクチンを多く含むため、整腸作用がある。
また無機質のカリウムを多く含むため、体内の過剰の塩分を対外に排出し、
高血圧の予防にも役立つ。

【柿】
9月頃から出回るが、10月下旬から11月中旬が旬。「柿が赤くなれば医者が青くなる」といわれる健康食品。ミカンに次いで多くのビタミンCが含まれる他にビタミンB1、
B2、カロチン、ミネラルが含まれ栄養価は高い。熱がある時や二日酔いにもよく、
利尿効果がある。

【栗】
草生期は8月中旬頃から出回るが、名高い丹波栗の旬は10月上旬。秋が深まるに連れて、大粒の栗が多くなるが、小ぶりの物の方が甘みは強い。クリは栄養価が高く、蛋白質や
ビタミン類、ミネラルに富み、特にビタミンB1の含有量に優れる。糖分が多く甘みが
強いので、甘みを生かした料理や菓子づくりに向き、鶏肉との相性がよい。

【カボス】
8月〜10月が最盛期。特有の甘酸っぱい香りは、外皮と果汁両方に含まれる橙皮油の
もので、果汁だけでなく、皮もすりおろしたり、きざんで薬味にするとおいしい。




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