北視会

大会宣言(案)



宣言(案)

 日本海や奥越の山々の雄大な大自然に囲まれ、豊富な恵みと一乗谷朝倉氏の遺跡や曹洞宗大本山永平寺、更には、国内唯一の勝山恐竜博物館など、魅力溢れる観光スポットが名を連ねる、ここ福井県に、全国の視覚障害者の仲間が一堂に会し、第66回全国盲人福祉大会福井大会がかくも盛大に開催できましたことは、大きな喜びであり感激であります。この大会の成功は、福井県、福井市、あわら市、越前市、鯖江市をはじめとする自治体と関係各方面並びに、福井県民の温かいご支援とご協力の賜物であり、準備に当たられた社会福祉法人福井県視覚障害者福祉協会の会員並びに役職員の関係者に心から感謝申し上げます。
 東日本大震災の爪痕は深く、福島県では原発事故が終息しておらず、さらに新たなトラブルが発生するなど解決の見通しすら立っていません。そうした現実を直視し、1日も早い問題解決に向けて本連合は被災地への支援を一層強化します。
 防災に対する国民の意識も高まり、災害時避難マニュアル・要援護者登録・福祉避難所の設置が全国的に進められていますが、障害者が災害にいかに弱いかは阪神淡路大震災からこの度の東日本大震災についての度重なる大災害を通して明らかとなっていることを忘れてはなりません。視覚障害者自身も事前の備えをはじめ減災の自己努力をしなければなりませんが、国や自治体において、支援対策が充実するよう求めていく必要があります。
 今、国は、2006年12月に採択された国連・障害者の権利に関する条約の批准に向け、国内法の整備を進めています。その一環として、障害者の差別を禁止するための法制として、障害者差別解消法が国会に上程されています。その内容は当事者にとって十分満足できるものとは言えないものの、3年後の見直しを視野に入れ、早期成立を求めるとともに、全国の自治体においても障害者差別禁止条例が制定されることを強く期待します。
 障害者自立支援法が一部改正され、本年4月から障害者総合支援法として施行されましたが、私たちの代表が何人も参加して作られた骨格提言の内容はほとんど取り入れられていませんし、せっかく実現した視覚障害者同行援護事業も地域間の格差が甚だしく、今後格差のない制度として進展することを期待します。
 視覚障害者の就労は、障害者雇用促進法の改正によりすべての事業主に合理的配慮義務が課せられることとなります。鍼灸マッサージを中心とする自営業者に対する支援が大きな課題となっています。さらに、鍼灸マッサージについては、あはき問題戦略会議を中心に、無資格対策から保険取扱いの拡大まで幅広く運動していく必要があります。
 駅ホームからの転落事故が後を絶たず、尊い命が奪われていることを思えば、駅ホームの転落防止柵の設置は急務です。交通機関だけでなく、社会生活の全般においてロービジョンや色覚障害の人たちへの配慮も含めたインクルーシブな社会の実現を目指します。
 本年3月に情報コミュニケーション障害といわれる障害者4団体が結集し、情報コミュニケーション法の必要性を考えるシンポジウムを開催しました。 
 また、近年急速な勢いで、タブレット端末やスマートフォンなど、私たちが使用しにくい、タッチパネル操作による情報端末が発売されています。視覚障害者が使用困難なそうした機器は視覚障害者にとって新たなバリアであることを国及びメーカーに伝え、視覚障害者も使える機器の開発を関係機関に働きかけます。
 本連合は情報バリアの解消に向け引き続き運動します。
 本連合の加盟団体は61団体となり、法人改革もすすんでいます。今後は若年層への入会を働きかけるとともに、加盟団体の財政基盤を強化することが課題です。
 私たちは、社会の構成員のひとりとして、社会に貢献し、生きがいのある生活を送ることを目標として、本大会を契機に力強く前進することをここに宣言します。

2013年(平成25年6月23日)
第66回全国盲人福祉大会 福井大会



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